ニュースで聞く、‘日本のGDP‘という言葉。
「結局のところGDPって何?」と疑問に思ったことはありませんか。
ニュースを見ていても専門用語ばかりで正直よくわからない―
でも社会を知らないままでいいのか不安―
この記事では、GDPって何?日本の経済力がわかる基本知識を分かりやすく解説していきます。
GDPとは―‘経済の成績表‘ってどういうこと?


テレビでよく「日本のGDPが~」って聞くけど、正直なんのことだか分かってないんだ…

大丈夫!一緒に勉強していこう!
GDPとは何の略?意味をかんたんに解説!
GDPとはGross Domestic Productの略であり、国内総生産のことをいいます。
国内総生産とは、一定期間に国内で新しく生み出されたモノやサービスなどの価値をまるっとすべて合計したもののことをいいます。
この一定期間とは、1年などの年単位または四半期ごと(3か月ごと)などに期間を区切って計算されています。
GDPは売上の合計ではない?ポイントは「付加価値」
モノやサービスなどの価値を合計したものとは、単に販売した時の金額の合計ということではありません。
この時の価値とは、モノやサービスを販売した時の金額から流通コストや原材料などの外部から購入したものにかかった費用を差し引いた価値=付加価値のことです。

外部から購入したものにかかった費用を、中間投入というよ!
付加価値を計算する時には、流通コストや材料費などの他に光熱費や容器・包装代なども差し引かれます。
付加価値ってなに?ケーキ屋さんで考えてみよう!
例えば、ケーキ屋さんが小麦粉や卵を300円で仕入れ、その材料で作ったケーキを450円で販売したとします。
この時、
- 売上:450円
- 材料費:300円
- 差額:150円
となります。
この差額150円が付加価値となります。
つまり、モノやサービスを作ることで新たに生み出された価値が付加価値といえます。
モノやサービスは企業またはお店が生み出すものなので、言い換えれば企業やお店が生み出した新しい価値=付加価値とも言い換えられるかもしれませんね。
人件費は差し引かれないの?その理由は…

ケーキ屋で働くアルバイトの給料って…それも差し引くの?

いい質問だね!
答えは「差し引かない」です。
その理由は、従業員の給与や昇給などの人件費も企業が新たに生み出した価値=付加価値の一部だからです。
ケーキを販売するためには、ケーキを作るパティシエさんや販売する人を雇用する必要がありますね。
ケーキ屋さんが人を雇ってケーキを売ることで価値が生まれる。
そのサイクルの中にあるお給料も、ケーキ屋さんが生み出した価値の一部とされGDPに含まれます。
ここまでのポイントを整理!
- GDPとは:一定期間に新しく生み出された付加価値の合計。
付加価値とは:モノやサービスの販売価格から、流通コストや材料費を差し引いて新しく生まれた価値。 - 人件費は引かない:企業が新たに生み出した価値として付加価値に含まれる。
お店の儲け=付加価値?


ってことは150円のお店の儲け=付加価値ってこと?

いい気づきだね。でも少し違うんだ!
儲けはあくまで「付加価値の一部」
結論、お店の儲け=付加価値ではありません。
付加価値には、お店の儲けの他に以下のような要素が含まれるためです。
- 人件費
- 減価償却費
- 間接税
これらはすべて、お店や企業が生み出した新しい価値として計算されます。
そのため、お店の儲け(利益)単体でイコール付加価値とはならないのです。
減価償却費や間接税については、別記事で分かりやすく説明しています!
まとめ
GDPは、「国内で生み出された新たな価値の合計」と言えます。
この価値の合計は、その国でどの程度さかんに経済活動が行われているかを示すものでもあるので、‘経済の成績表‘とも表現できるかもしれません。
私たちの暮らしにも影響する指標でもあるのです。